■進化のロマン 〜第一話〜 [Dec 2003]

人間の足の親指が他の指と平行になっている理由ってご存知ですか?
人間の足の親指は、足の血液を膝まで送るポンプとしての役割があり、歩くことで心臓の負担を軽減させるという機能が備わっています。逆に現代人は移動距離が短くなったため、足の親指のポンプが機能しないので心臓の負担は大きくなっているということになりますが… なぜその昔、人は一日に最も長い距離を歩かなければいけなかったのか?それは、私たちの祖先が獣の追って来れないところまで逃げて生き延び、絶えることから免れるために備えた身体機能のなごり。「もうすこし遠くまで歩くことができていれば、家族や仲間が獣に襲われずに済んだのに…」という心臓を抉り取られるような悔しい想いと、強い切実な願いが数十万年も「想い」として受け継がれ、その想いがDNAの強い情報となって徐々に進化し、ついに足の親指を平行にしていったのです。別の見方をすれば擬態機能を備えた生物と同じく、「生き残った者の、生き残りを繰り返した形」といえるのですが、その理由は、紛れもなく「逃げたい」という切実な想いが叶えた「カタチ」だったのです。人間の進化の根底にあるこの「逃がれたい」という想いを私は否定できないし、ぬぐいきれない人間の人間らしさのようにも思えるのですが、これは遺伝子がつなぐ「愛」の進化のカタチであり、「願い続ければ叶う」という時を越えた素晴らしいロマンともいえるのです。

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